小児の身体には、次のような特徴があります。  
まず「発達途上にある」ということで、骨の両端の「骨端軟骨」など、成人にはない弱点が存在します。関節軟骨と骨との結合も弱く、過剰な関節への負担により、
成人に比べて容易に軟骨が傷ついてしまいます。

「部位による成長の速度に違い」があります。たとえば骨の成長は比較的早く、その周囲の筋肉や腱の成長は遅れ気味であるため、相対的に筋肉や腱がつっぱってしまい、身体の柔軟性がおちる時期があります。身体が硬いまま、激しく身体をひねるような動作を続けると、腰椎に過剰な負担がかかり、腰椎分離症などのスポーツ障害を起こしやすくなります。  
「個人による成長の速度に違い」があります。小学校の高学年のころなど、ときにうっすらとひげの生えたような大人びた少年がいる一方で、どう見ても小学校低学年にしか見えないような少年がいたりします。  
チームとして争うような競技をする場合、勝とうと思えば、どうしてもそういった「早熟な子供」に頼ってしまう傾向にあります。早熟な子供にスポーツ障害が起こる可能性が高くなります。  
反対に、同じ学年だというだけで、横並びの課題を全員に与えてしまうと、成長の遅い子供には過剰な負担となってしまうこともあるでしょう。
個人差を考え、その子供の、その時期に、最適な課題とは何なのかを、指導者の方達、保護者の方達には考えていただきたいものです。