スポーツで起こる膝のケガは、ラグビーでタックルされたり、柔道で大外刈りを受けたり、空手でローキックを受けたり、外からの大きな力が加わって起こるのが半分ぐらいでしょうか。
その他は、自分の動きの中で膝をひねってしまうというケースが半分ぐらいあるのではないかという印象を持っています。

膝をひねることの多いのは、競技でいえば、バスケットボールでしょう。
空中でボールを受けて、着地と同時に身体を反転させてシュートするなんて動作の際に、膝には大きな回転モーメントが加わります。
靴の性能がよくなり、トップスピードからのストップが容易にできるようになったと聞きます。
ここで足の裏の全体に体重がかかってロックされてしまうと、足先の向く方向と、膝の向く方向が違ってしまい、膝をひねるということになります。

力士はあれだけの体重があるのに、相撲では、意外なことに、それほど膝を傷めません。
あるとき、土俵で相撲の稽古をしたことがあり、その秘密に気付きました。
土俵の上には、砂が敷かれていて、その砂で、足が滑るのです。
もしこれが、バスケットシューズをはいて、体育館の床の上で相撲をとったとしたら、膝には大きなストレスがかかることでしょう。

膝をひねらないための、動きのトレーニングです。 足を肩幅の広さに開いて立ち、かかとを浮かせます。
足の親指を軸にして、その場で腰を左右にひねります。
ダンスで言う、ツイストの動きです。膝と足の方向が、常に一体になるように注意します。
これを練習の前などに、30~50回やってみてください。

外力によるものは、ある意味、仕方のないことです。
しかし、自分の動きの中で膝をひねってしまうのは、動きの訓練をすることによって、
予防できるのではないかと思います。

参考文献「新版 図解・スポーツリハビリテーション」